消費税の仕入税額控除で控除できる取引とできない取引について

消費税の仕入税額控除できる取引とできない取引

消費税は間接税であることから、実際に税の支払いを負担する人と納付する人が異なります。
消費に関わる取引全般にかかる税でもあるので、2重取りを防ぐ意味で導入されているのが、仕入税額控除という制度です。
この仕入税額控除に該当する取引と該当しない取引の違いには何があるのかを確認していきましょう。

消費税の仕組みを知っておこう

消費税の仕組みとしては、ある企業が商品を販売するのに仕入した場合にも税が負担されます。
当然ですが、仕入時にも消費税の支払いをすることになり、転売した時にも消費税が入ってきます。
この売り上げにかかる消費税額から、仕入代金などにかかる消費税を差し引くことを仕入税額控除と呼んでいます。
1つ注意しておきたいのは仕入という名目ですが、消費税では諸経費の支払いや設備の購入なども該当するのが特徴です。
そのため純粋な意味で使われる仕入と区別するために、課税仕入れと呼ばれることもあります。

課税仕入れとはどういうものか?

課税仕入れとは国税局HPでは、事業のために他の者から資産の購入や借り受けを行うこと、又は役務の提供を受けることであると定義されています。

具体的には商品加工のための原料や材料などの購入、商品などの購入が代表的でしょう。
他にも機械や建物購入や、賃借した場合も該当します。
また広告を使った宣伝費や構成費、通信費なども課税仕入れです。
言葉の定義が難しいのですが、基本的には事業者が事業として何らかの提供を受けた場合が課税仕入れと考えてください。
例えば事業者が中古のパソコンを消費者から購入した場合ではどうでしょうか。
消費者は事業者ではないので、非課税の取引と考えがちです。
ですが実際には課税仕入として扱います。
その理由は事業として購入をしたからです。

課税仕入れに該当しないものとは

では逆に課税仕入れに該当しないものもあげておきます。
これは消費税が非課税とされる取引や不課税取引に適用されています。主に以下が該当致します。

  • 土地の売却や貸付
  • 有価証券の譲渡
  • 預貯金における利子
  • 医療保険の給付

つまり自社にとっての取引が不課税取引であるのか、非課税取引であるのか適切に判断をする必要があるのです。 この判断ができなければ消費税額の計算ができません。

免税事業者からの仕入はどうなるのか?

課税取引の中で気になるのが、取引相手が免税事業者であった場合でしょう。
免税事業者とは売上高が1000万円以下の業者のことです。

免税事業者は消費税の納税をしなくてもいい仕組みになっていますので、対応をどうするのかが疑問点になるでしょう。

結論からお伝えしますと、相手が課税事業者か免税事業者かは関係ありません。
事業用として仕入をした場合は、すべて課税仕入れとなります。
ただし免税事業者から仕入をした場合も、仕入税額控除の対象となるのです。

このケースでは支払った仕入額に消費税込みとされます。
8%の場合だと108分の6.24%、10%だと110分の7.8%の控除を受けられます。
ちなみにこの細かい数字になるのは、国税と地方税もコミと考えられるからです。

まとめ

消費税の仕入税額控除についての解説でした。
仕入税額控除とは消費税が間接税であるために、負担額を同じくするための制度。
事業者が事業用として仕入をしたものにも消費税はかかるので、転売をして利益を得た分で入ってきた消費税と相殺できるという制度になります。
この仕入税額控除の対象となるのは、課税取引にあたるものです。
反対に対象とならないのは、非課税取引や不課税取引に該当するものと覚えておきましょう。